ご案内
SPCの機関取締役の選任又は解任について、社員総会招集請求権及び社員提案権を定款により排除することができるとともに、優先出資社員の議決権を法定しないこととされ(資産流動化法54、56、65、67)、資産流動化計画違反について、社員等に社員総会決議の取消訴権及び取締役の行為の差止請求権が付与された(資産流動化法61条の2、76条の2)。
また、監査役に非行取締役解任を目的とする社員総会招集権等が付与された(資産流動化法81)。
SPCの業務関係特定資産の管理及び処分に係る業務については、原則として信託会社等に信託しなければならず(資産流動化法144)、資産対応証券の募集等に係る業務については、SPCの取締役又は使用人が行うことを禁止する一方で、金融再生委員会への届出により特定資産の譲渡人は募集等の取扱いを行うことができるようになった(資産流動化法150の2〜150の5)。
また、SPCは、資産の流動化に係る業務の遂行を妨げるおそれがある資産及び親会社の株式等を取得し、又は所有してはならないこととされた(資産流動化法154〜160)。
特定目的信託制度の創設特定目的信託制度とは、資産の流動化を行うことを目的とし、かつ、信託契約の締結時点において委託者が有する信託の受益権を分割することにより複数の者に取得させることを目的とする制度であり、今回の改正案で創設された。
回SPC法の目的SPC法は、SPC又は特定目的信託を用いて資産(例えば、不動産、指名金銭債権)の流動化を行う制度を確立し、資産の流動化が適正に行われることを確保するとともに、資産の流動化の一環として発行される各種証券の購入者等の保護を図り、一般投資者によるこれらの証券に対する投資を容易にし、これにより国民経済の健全な発展に資することを目的としている(資産流動化法l)。
具体的かつ中心的な目的として、資産デフレ対策としての不動産取引の活性化があげられている。
4SPCの概要SPCとは、SPC法の規定に基づき設立された社団で、「資産の流動化」という特定の目的だけのために存在し、商法及び有限会社法上の会社とは異なる法人である。
そのため、SPCは、従来利用されていた商法上の「特則目的会社」と区別されなければならない。
このSPCを活用することにより、特定資産(資産流動化に係る業務としてSPCが取得した資産又は受託信託会社等が取得した資産)を裏付けとした資産対応証券が発行される。
つまり、資産対応証券を発行し、それにより得られる金銭で特定資産を取得し、その特定資産の管理・処分により得られる金銭をもって資産対応証券の元利支払等を行う。
旧SPCでは、「特定資産(流動化の対象となる資産)」として「指名金銭債権」、「不動産」及び「これらの資産を信託する信託受益権」に限定されていた(旧SPC法2)。
改正法では、対象資産の範囲が拡大され、商品設計の自由度が拡大している。
具体的仕組みは、原債権者であるオリジネーターが特定資産をSPCに売却し、SPCがその資産を裏付けとした資産対応証券を発行し、資金を調達する。
SPCは特定資産の管理・処分等の収益によりその資産対応証券への配当.元利支払いを行う。
SPCは、資産の流動化のためだけの導管的な存在にすぎないものであることから、税制上も、これに適した取扱いとするために所要の措置が講じられている(SPC整備法13条における租税特別措置法の一部改正)。
例えば、SPCのうち一定の要件を満たすものが支払う利益の配当等の額については損金の額に算入することが認められている。
(1)資産の流動化SPCは、「資産の流動化」に係る業務を行うことを目的としている(資産流動化法l)。
具体的には、資産対応証券を発行し、それによって得られる金銭により「特定資産」を取得し、その特定資産の管理及び処分により得られる金銭をもって、資産対応証券(例:特定約束手形又は特定社債券、あるいは優先出資証券)の元本や金利・配当等を支払う一連の業務を行う。
(2)少額の最低資本金SPCの資本は、特定資本又は優先資本(資産流動化計画に従い発行される優先出資に係る資本をいう)であり、特定資本の最低額は10万円である(資産流動化法19)。
最低額が少額とされたのは、SPCの債権者(特定社債等の投資家)は、資本金自体からの弁済ではなく、特定資産からの収益をあてにしているため資本の額が少額でも問題が生じないであろうということであり、旧SPC法では300万円とされていた。
これは同じく小規模会社である有限会社の最低資本金との整合性をもたせたからである。
しかし、新SPC法では、一般会社においては最低資本金は会社財産を唯一の担保とする債権者のための財産的基礎として設けられているのであり、資産流動化のための単なる器としてのSPCについては、最低資本金を定める必要性はないということで、最低資本金が300万円から10万円に引き下げられた。
(3)届出旧SPC法では、SPCが「特定資産の流動化に係る業務」を行うためには、金融再生委員会の登録を受けなければならなかった(資産流動化法3@)が、「届出」に改められた。
この届出(業務開始届出)を行うSPCは、@商号、A営業所の名称及び所在地、B役員の氏名等を記載した届出書に、定款、資産流動化計画(資産の流動化に関する基本的な事項を定めた計画)等の書類を添付しなければならない(資産流動化法3AB)。
(4)業務の委託SPCでは、投資家の保護という観点から、特定資産(信託受益権を除く)の管理及び処分に係る業務を行わせるため、これを信託会社に信託しなければならない(資産流動化法144@)。
(5)他業の禁止SPCでは、投資家の保護という観点から、資産流動化計画に従って営む資産の流動化に係る業務及びその附帯業務のほか、他の業務を営むことが禁止されている(資産流動化法142)。
そのほか、資金借入れの制限(資産流動化法150の6)、資産の取得等の制限(資産流動化法151)等、いくつかの制約もなされている。
SPCによる証券化が容易となれば、資金調達を行おうとする企業、対象となる資産の所有者、投資家、サービサー(金融機関、不動産開発業者等)にとって、以下のメリットが生じる。
資金調達を行おうとする企業資金調達手段が多様化・円滑化するというメリットがある。
また、より競争的な市場においては、資産評価が透明化する。
対象となる資産の所有者資産取引の活性化手段となり、資産売却が円滑化し、売却利益が実現しやすくなるというメリットがある。
また、不稼働資産の稼働化又は資本効率の改善にも効果的である。
投資家投資を行うにあたり、投資商品の選択肢が拡大し、分散投資が促進される。
サービサー新たな事業分野が登場することにより、手数料等の増大、市場の拡大というメリットがある。
定款の作成SPCの設立は、株式会社における発起設立と同様の方法で行われる。
まず、発起人が定款を作成し、署名する(資産流動化法18@)。
SPCの定款の記載事項として、目的、商号、本店所在地、特定資本の額、公告の方法、発起人の氏名・住所、存立の時期又は解散の事由等がある(資産流動化法18A)。
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